『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』

一早くコロナ・ワクチンを開発した米国医療界もアルツハイマーなど高齢者の記憶力低下には手を焼く.

540万人が患い,介護費用は2,360億ドル(2018年)に及ぶ. コメディアンのJバーンズ曰く「まず名前を忘れる!
次に顔を忘れ, そしてジッパーを上げるのを忘れ, 最後には下げるのを忘れる!」. レビー小体型ではニューロンの
周りに黒い斑点*1が出現し,パーキンソンでは中脳下部で運動制御を失い, 若年型では前頭側頭の細胞が冒される. 脳産生のドーパミン減少で非可逆的な運動障害や認知が進行し死に至る. 夢,はなく! 人工ドーパミン*2もその特効薬にはならず,近年脳のプラークとタングルを付着させるアミロイドβと結びつき排出させる新薬「ソラズマブ」もきき巨費を投じ開発されたが効果なく治験中止となった. どうも発症前からの対策が必要なようだ.
効果があるのは脳細胞を攻撃するフリーラジカルを抑える抗酸化作用のある食事*3と有酸素運動,
瞑想*4や人との触れ合いで分泌される善玉サイトカインやストレス物質の減少だ.
ーことろで見て! あなたのジッパーは大丈夫?

*1:αシヌクレイン *2:L-ドパ(詳細はデニーロ主演「レナードの朝」で1991年映画化. *3:地中海食(ナッツ,オリーブ油,野菜,果物,全粒穀物,魚).*4:マインドフルネス療法

『亜種の起源』

苦しみは波のように

ON THE ORIGIN of SUBSPECIEIS

自然科学はコロナとAIで急速に変わった。ダーヴィンの自然淘汰や生物機械論は通用しなくなる。効率や合理的考えはAIが担い、人には、より感じることと多様(亜種)性が求められる。

−−−ハッチントン病など脳の神経疾患を治そうと企業研究室に入った著者、知られていないが神戸リサーチセンター時代に(山中伸弥教授の発表の3ヶ月前、2007年4月)、ヒトips細胞開発に成功し翌年に特許出願*1も成している。 幹細胞にvirus vectorを用いて遺伝子導入し初期化を試し、発生の初期環境を再生に応用するという発想を90年代に今は亡き旧友達*2から得た。研究が頓挫しかけた頃、骨や骨髄を作る間葉系幹細胞は組織発生の垣根を超え分化するという知見がもたらされipsはできた。成功の鍵は“細胞の初期化が転写因子だけではなく自己組織化という原理との同期で起こる”ことだ。生命の多様性は、クローズな機械論でなく普遍な物理や化学法則との自発的パターンの振動子の同期*3で起こり、今後、生命進化はオープンシステムで研究されるべきだ、と説く。

* 1 係争を避けるため特許は現在、京都大学に譲渡されている。

*2 STAP細胞で渦中の2014年没の笹井芳樹氏から京大で神経幹細胞発生の転写因子の発想を2019年没の慶應大学准教授三好浩之よりvirus vectorによる遺伝子導入法を教示された。

*3メトロノームは、多数を各子振動させても最後には自然に同じリズムを刻んで同期する。

『食の歴史 人類はこれまで何を食べてきたのか』

SF”ブレードランナー2049”は,水田のような農場で飼育された未来のタンパク食である芋虫をグツグツと煮る鍋の前に刑事が佇むシーンではじまる.

-歯科会では摂食,嚥下が注目であるが,歴史上,食は健康維持以上に,快楽・言語・経済・社会組織の成り立ちに深くかかわってきた. 170万前ホモ・エレクトスは最初のノマド(食を求め彷徨う民)としてアフリカからアジアにまで達し, われわれサピエンスも原人たちち交雑しながら流浪して増殖した. 古代から食の安定生産と備蓄が国を支え, 豪華な美食外交が富と権力の証であった.

近代,砂糖の獲得は国家レベルで進んだ. 消費は,タバコの麻薬と同様に常習性と健康被害を生んだ. 今,さらに利潤を生むHFCS含有加工食品でGAFAと同様に巨業が席巻している. 未来は,節食で肥満を抑え, 小肉多祭が健康と貧困層人口爆発を賄うために求められる.

地球環境保護と生産効率の観点から飼育ん膨大な植物が必要な牛などの肉食は贅沢で,
植物性タンパクや昆虫食にとって代わる?
-SFで登場する芋虫も, ご馳走になる日が来るの? アタリさん!

『40人の神経科学者に脳のいちばん面白いところを聞いてみた』

美人はなぜ美しいのか? そう考える脳は神経細胞の集合体であるが, その仕組みは未だ謎が多い.

電気信号(デジタル)にアナログ(化学物質のやり取り)が加わる細胞末端部の処理速度はパソコンの1/10,000,000と遅いが, 大規模な並列処理には向いている. AIのディープラーニングの発想はここから生まれた. センサーとしての口腔内の味覚も謎だ! ひと口,水や糖を含み吐き出しても, 予知夢のように膵臓インスリンや血糖, 塩分濃度に司令して元気ハツラツだが, 人工甘味料を含んでもカラダは反応しない. 逆に,毒などを不快に感じるようにドーパミン作動型ニューロンは仕組まれている. 薬物依存は強烈でその渇望は理性を超えて犯罪をもいとわない. 生存のために嘘がつけないのも人間の脳だ!—– ところであなたの視線はなぜ美人を追うの?!

『すごく科学的 SF映画で最新科学がわかる本』

荒唐無稽な空想科学映画は意外と科学的!『エイリアン』などのすでにシリーズ化された映画に加え,日本では知られざる名作も掲載されている.

「28日後・・・」ヒトがウィルス感染によりゾンビ(狂犬病因で)化する. ケータイから得たビッグデータでAIをヒト化させ, ヒトを逆テストする「エクス・マキナ」(元機械?).NASAのアドバイザーでもあるリドリー・スコット監督の「オデッセイ」では,ヒトは火星環境に順応できるのか?「猿の惑星」では,98.5%ゲノムが一致するチンパンジーにヒトゲノム
を脳移植すればサルの地球支配も可能? 本年視覚化されたブラックホールを利用し,タイムマシーン航法で五次元ワープして人類を救う『インターステラー』.どうも,ヒトが強く思い描く思念は空想映画をみている間に現実化しそうだ!

『遺伝子は、変えられる。–あなたの人生を根本から変えるエピジェネティクスの真実』

希少遺伝子疾患の研究をしてきた著者は臨床医でもある.異形学を駆使して患者のチョットした指の長さや目の位置でEDS症候群などの奇病を安価にみわける.

左利きの人は高率で先天疾患などに罹りやすく今でも科学者やシニスターと呼ぶ. 左脳で右手を操り心臓が左にあるのは意味がある! これは人がタンパク合成をする20種のアミノ酸が源は左巻き構造であるためらしい.だから容易なサプリ療法は要注意だ! 遺伝子が同一の一卵性双生児でさえ食生活やストレスなどのエピジェネティクスで孫や子の運命まで変わる.女優アンジェリーナ・ジョリーは乳癌に87%発症の遺伝家系で2013年SFのように病気でなく予防のために乳房を切除した! もはや運命は変えられる一富裕層の反響は凄まじく,遺伝子も保険会社では高額商品だ!

『宇宙に命はあるのか人類が旅をした一千億分の八』

かつてジュール・ベルヌに触発されたフォン・ブラウンやコロリョフは宇宙をめざした.

少年時代”何か”がウイルスのように種を宿し,NASAの火星探査に所属する若者は”人はどこから来てどこに行くのか? この広大な宇宙にいる唯一の存在なのか?”の答えを求めて未来を語る!

”何か”はアポロ計画では40万人を動員して世界を巻き込み有人月探査を,ボイジャー1号2号は175年に1度の惑星直列を見逃さずスイングバイを利用して30年かかる海王星への飛行を12年で成し遂げた.

宇宙望遠鏡でハビタブルソーンにある系外惑星を発見し,SETIや著者の専門ローバー等でのサンプルリターンにより地球外生命体の探査,そして火星移住をめざす. 太古に感染し,星空を見上げ渇望する心は, – あなたを,宇宙のかなたへ!?

『クール 脳はなぜ「かっこいい」を買ってしまうのか』

ヒトは進化のうえで地位に憧れ, また逆にそれに反逆する者をヒーローに祭り上げて来た. 

貨幣経済が誕生してからのコンシューマリズム(消費主義)でも無意識にそれを欲して来た.

上流志向や,反抗のファッションやライフスタイルは,”ブランド”として消費経済の価値を高めてきた. 近年”支配VS反逆”のクールの2極は多様化により変容し, かつてのヒッピー文化やハーレー・ダビッドソンは今や主流派で高級ステイタスだ!

ミレニアム, 性差別の社会構造は崩れ, 新たに音楽産業やドットコム(IT)クールが登場した. “浪費癖”といって消費を嫌悪する考えもあるがクリーンエネルギー志向で, 高くてもプリウスがうれる今, 地位より他人からよく思われたいという自己主張(アイデンティティ)が消費本能をクスグる! さあ,きみ! つぎは何を買う?

『ダ・ヴィンチの右脳と左脳を科学する』

ベストセラー作家で自らも脳腫瘍で逝った外科医が手稿(ダヴィンチ・ノート)を手掛かりにした遺作『ダ・ヴィンチコード』(2006年映画)では絵画”最後の晩餐”に謎を込めた中世の天才.

彼はほとんどの人類(左脳優位 RHHM※)とは異なる右脳優位(速算,芸術,閃き,透視,創造,時空感覚)の持ち主だった. サバン症候群や脳梁切断などでは右脳が優位となり,言語的論理を排除し,突如天才的閃きが出現することがある. 先を行き過ぎた能力(遠近法,望遠鏡,写真,映像,飛行機,ヘリコプター,銃器,潜水服,俯瞰地図,人体解剖,天文)の具体化には近代の技術と500年の時が必要だった.

彼の脳が未来型なら高等生物の種の存続期間が約120万年とすると15万歳の人類はまだ12歳. 人類の進化はまだ途上で, 超人類は異星人並みの未知の脳力になる!?

※Right-Handed Heterosexual Males(右利き異性愛の男性)に対してダ・ヴィンチはESSP(左利き同性愛の男性).

『シンギュラリティ 人工知能から超知能へ』

シンギュラリティとは特異点を指し,数学者チューリング(映画 ImitationGameのモデル)はAI(人工知能)と人の解答が出題者見分けがつかなくなる日が20世紀末には来ると予測した.

ムーアの法則では1つのチップに埋め込まれるトランジスタの数は18ヶ月で倍増し,21世紀半ばにトランスヒューマニズム(人超越)を迎えるという.

しかしそれには従来の方法を脱し,より脳を理解するために生体の記憶野をμマッピングし,回路を演算し,それを外部身体化=エミュレーション(記憶の外部コピー)することが必要だ.肉体が不要となれば自己の不死化も夢ではない.だが人並みではない超AIはSF映画などでも自我を覚醒する!! 

われわれの恵となるか天才棋士の連勝も阻む敵となるのか? ―それでも創らずにはいられないヒトの,未知の一手は?