書評

『食の歴史 人類はこれまで何を食べてきたのか』

SF”ブレードランナー2049”は,水田のような農場で飼育された未来のタンパク食である芋虫をグツグツと煮る鍋の前に刑事が佇むシーンではじまる.

-歯科会では摂食,嚥下が注目であるが,歴史上,食は健康維持以上に,快楽・言語・経済・社会組織の成り立ちに深くかかわってきた. 170万前ホモ・エレクトスは最初のノマド(食を求め彷徨う民)としてアフリカからアジアにまで達し, われわれサピエンスも原人たちち交雑しながら流浪して増殖した. 古代から食の安定生産と備蓄が国を支え, 豪華な美食外交が富と権力の証であった.

近代,砂糖の獲得は国家レベルで進んだ. 消費は,タバコの麻薬と同様に常習性と健康被害を生んだ. 今,さらに利潤を生むHFCS含有加工食品でGAFAと同様に巨業が席巻している. 未来は,節食で肥満を抑え, 小肉多祭が健康と貧困層人口爆発を賄うために求められる.

地球環境保護と生産効率の観点から飼育ん膨大な植物が必要な牛などの肉食は贅沢で,
植物性タンパクや昆虫食にとって代わる?
-SFで登場する芋虫も, ご馳走になる日が来るの? アタリさん!

おすすめ